本部は店舗発の情報発信のサポートをしよう

緊急事態!ドラッグストアにできるのは「お客の不安を取り除く」こと #がんばれドラッグストア

ここ数週間、ドラッグストアの店頭は異常事態に見舞われています。新型コロナウイルスへの危機感から需要が高まったマスク・消毒関連商品の欠品が続き、さらにデマを発端としたトイレットペーパーをはじめとする紙製品の買い占め、欠品が全国で広がっています。地域医療の担い手を自称するドラッグストアは、このような状況にどう対処すべきなのでしょうか?

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現場は疲弊している

この数週間ドラッグストアの店頭は緊急事態に見舞われています。

新型コロナウイルスへの危機感から需要が高まったマスク・消毒関連商品の欠品が相次ぎ、さらにここ数日はデマを発端としたトイレットペーパーをはじめとする紙製品の買い占め、欠品が全国で広がっているのです。

何回も繰り返されるお客様からの在庫確認や次回入荷への問い合わせ、大量の品出し、開店時には長蛇の列ができ、入荷した商品が一瞬で売り切れる…という店舗もあります。お客様同士の小競り合いなどが起きてしまっている店舗も多いようです。

いつまで続くのかわからない状況に現場は疲弊しています。

一番不安なのはお客様

しかし一番不安なのはお客様です。新型コロナウイルス感染への不安から外出することもままならず、家族のためにトイレットペーパーやオムツなどの紙製品を切らすことができないと考えた方々は、発端がデマと知っていても買いだめに走らざるを得ず、結果として「デマが真実」になってしまっています。

「店舗はメディアである。ドラッグストアは地域医療のハブである」と当媒体では繰り返し提言をしています。今だからこそ店舗からできる情報発信によって、お客様の不安を少しでも取り除くよう動きたいものです。現場が一丸となってお客様のサポートに動けるよう、本部には現場をサポートしていただければ…と考えます。

たとえば

・本部が店舗に掲示できるような新型コロナウイルスに関する情報発信のためのPOPを配布する

・本部が店舗に対して、品薄になっている紙製品に関する、次回の商品入荷日を明確に掲示できるPOPを配布する

・お客様の不安に対し、薬剤師を中心として、医療知識に裏付けされたアドバイスを提供する

このようなことは、本部がサポートすれば、今あるリソースで十分対応できるはずです。

上記の写真は、店舗のICT活用研究所の郡司昇さんにご提供いただいた、首都圏のとあるドラッグストアに開店2時間前に掲示されていた張り紙です。

その日のマスク、紙製品の入荷状況について記載されています。在庫があるのかないのか、ない場合入荷はいつなのか?単純ですが、お客様にとっては必要十分な情報が伝わる内容になっています。

郡司さんからは、

このレベルのものでも掲示出来るだけで、問合せを6~8割は減らすことができます。(ダメ元で聞く人はどうしようもありません)。大切なのは毎日更新することです。

とコメントをもらいました。

紙製品に関しては、経済産業省が以下のような発表をしています。こちらを印刷して店頭に掲示するのは不安を解消するための一つの材料になるかもしれません。

ツイッターで情報発信している唯一のDgS

北海道のドラッグストア サツドラさんは、ツイッターでこの経済産業省のツイートを引用して、情報発信をしています。

3月2日の朝6時時点で、上場ドラッグストア14社のツイッターアカウントでこのような今回の騒動に関する情報発信を行っていたのは、サツドラのアカウントだけでした。

アプリやLINEなどでお客様と直接の接点を持っているドラッグストア企業は、それらのツールを活用して直接店頭の情報をお伝えしたり、新型コロナウイルスに関する医学的根拠に裏付けられた情報を配信することもできるはずです。

是非本部の皆様は、店で奮闘する方々が少しでも疲弊しないためのサポートに尽力していただきたいと思います。

今回の騒動が早期に収束に向かうことを祈っています。

(MD NEXT 編集長 鹿野恵子)