マンスリー商品山積カレンダー「デオドラント」

[デオドラント用品の売り方]シート好調で7月に最大、剤型別にピークの山あり

季節商品は「シーズンファーストバイ(=季節商品の初回購入)」の獲得が命!定番商品でもニーズの高まりに合わせて在庫を厚くするべき時期があります。カテゴリーごとに、商品の仕掛け時期やピークを把握して、タイムリーな売場づくりに役立てましょう。

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[制汗剤市場 季節指数・販売構成比推移]

[概況]市場規模417億円。男女ともにシートが好調

2018年1~9月のデオドラント市場は約420億円。そのうち女性の市場は約290億円、男性の市場は約125億円だ。同時期での女性の市場は前年比約4%アップ、男性の市場は前年比約10%アップしている。同カテゴリーの剤型には、シート、スティック、ロールオン、パウダースプレー、クリーム、ミスト、ウォーターがあり、温度の変化や季節の流れの中で、お客の意識や購入の流れが変わってくる。

剤型別の利用目的は、スティックが汗も臭いもケアしたい人、ロールオンは汗と汗じみを抑えたいニーズに応えている。スプレーは制汗・消臭、シートがリフレッシュの目的で購入される傾向がある。

男女別で見ると、女性向け市場では、一時シュリンクしていたスプレーが伸長。ロールオンはやや縮小気味でシートの売上が拡大。特筆すべきは男性向け市場で、市場自体が圧倒的に伸びている。

男性は女性に比べるとトレンドがワンテンポ遅く、平均的に30代からビジネスシーンで使い始める向きが強い。使用するきっかけは、加齢に伴う体臭ケアだ。そのため、メーカー各社が20代から30代に向けてのプロモーションを行っている。男性の場合、ロールオンも好調だが、売上構成比でもっとも大きく占めるのはシートとなっている。

また、カテゴリー拡大の施策としては、未使用者を取り込む「ストレス臭」ケアなどの新しい価値観や、フットクリームなどアドオンにつながるケア部位の提案が見られる。

[売り方のポイント]2、3月が立ち上げ期 剤形の山に合わせ強弱を

デオドラント市場の売上の山は剤型ごとに異なり、気温の上昇とともに変動していく。日焼け止めが日差しの強さを感じる季節に売上を伸ばすのに対し、制汗剤は湿度を感じる時期に強く反応するのも特徴だ。

とはいえ、販売構成比の高いシートの売上によって制汗剤カテゴリー全体のピークは7月にある。例年、梅雨明け直後の海の日付近に大きな山を迎えることが多いが、スプレーは年間を通して安定的に売れており、ロールオン、スティックに関しては冬から春にかけて売れる傾向にある。

それを踏まえて、2、3月を立ち上げ期、4、5月を拡大期、6~8月を最盛期として展開を図りたい。1、2月はまだ冬期で寒いが、気温が高くなる前に売場を立ち上げれば機会損失にはならない。シートの売上が伸びる4月・5月の連休も狙い目だ。

ロールオンやシートは汗に対して比較的軽い悩みのお客向け。匂い意識が高い人には、スプレーを勧めたい。打ち出しの時期は2月後半からが適している。

〈 関連商品 〉

エージーデオ24
パウダースプレー(無香性)180g(医薬部外品)
※ストレス臭に着目した新製品

[売場提案]ライトユーザーや未使用者に目立つ場所で山積み

汗じみや匂いに悩み、積極的に制汗剤で対策をしたいお客は、男女それぞれの定番売場に向かうため、悩み別の訴求や情報発信、テスターなど、売場のつくり込みが必要となる。

一方、プロモーション売場では、悩みが浅いライトユーザーや、デオドラント未使用者にどれだけ訴求できるか、気付きを与えられるかが、売場づくりにおける大事なポイントになる。

気温が上昇し、お客が汗を気にするようになってくるタイミングで、店頭やレジ横など、目立つところに制汗シートを山積みすることで、ついで買いにつながる可能性も高い。新規ユーザー獲得には、新しい価値観を提供する商品の陳列も効果的だ。ニュースやSNSなどでも話題となり、注目度の高い「ストレス臭」を防ぐケア商品も発売されている。季節を問わず、使用部位も脇だけに限らないため、使用量も増え商品の回転率も高まる。いままでニオイ対策を何もしていなかった男性のトライアルも期待できるだろう。

新規獲得のためのプロモーション展開例