小売企業が成長していくための唯一の対策は出店である。しかし、ある時期になると古い店を閉店して近くに新店舗をつくったり、店舗改装をしなければならない。これを「スクラップアンドビルド」という。
スクラップアンドビルドをしなければならない店舗の条件は、営業利益が赤字の店舗である。一般的に、店舗の平均寿命は5年といわれている。チェーンストア企業は、ある時期には出店計画だけではなくて改装、移転改装を含めたスクラップアンドビルドの計画をつくらなければならない。「平均店舗年齢」を5年程度にしておくのが競争に強いチェーンストアの条件といえる。
弱体化するチェーンストアに多いのが、初期のころの古い店舗を「売上は低下傾向にあるが、建物の減価償却も済んで営業利益が出ている」との理由で、古いままにしておくケースだ。そのような店舗は競合に狙われやすい。競合店の新店が出てきたときには一気に売上が落ちて、赤字店舗に陥る。
企業の収益を支えている、昔からある店舗年齢の古い店舗こそ、スクラップアンドビルドが必要である。