ある商品カテゴリーや特定の商品に関して、その総売上額や数量に対する特定の企業や店舗の売上の占拠率。地域シェア率の算出方法は、下の図表のようになる。

売上予算を立てる場合も、「損益分岐点売上」から計算した「必要売上高」と、商品群単位の地域シェア率の目標から計算した「可能売上高」とを組み合わせて計算するのが、正式な売上予算の立て方である。

シェア率獲得の目標には、「ランチェスターの法則」のような指標がある。チェーンストアの場合の地域シェア率の獲得は、単独店舗によるシェア率ではなく、複数店舗の商圏が重なるような出店戦略（リングウエーブ方式）によって、店舗数全体で地域シェア率を獲得することが基本になる。

小売業同士の競争が激化すると、「売上の絶対額」よりも、地域での占拠率（シェア率）の方が重要になる。1店舗で何十億円の年間売上があっても、「低いシェア率×広域商圏人口」の店舗は、競争に弱く、地域内の消費者にとっては、実はあまり必要とされない店であるといってもいい。