ベビー用オーラルケアの市場はもっと開拓できる
ベビーのオーラルケア市場規模は約55億円。歯が生える前の歯ぐきマッサージ用ブラシ、はじめての乳歯ブラシ、親が使う仕上げみがき用歯ブラシから、フッ素コート、キシリトールとフッ素が含まれたタブレットなど、多彩な商品展開がなされている。
市場としては、近年横ばいから減少傾向にあるが、大人のオーラルケアはむし歯や歯周病、口臭に対する予防意識の高まりとともに2,000億円以上の市場規模で成長しており、一般成人のオーラルケアに関する意識は高いといってよい。
そのことからも、赤ちゃんのオーラルケアを担う親に対する啓発、情報発信をうまく行っていけば、大きな潜在需要の開拓が期待できる。つまり今後は、ベビーケア用品売場内でのオーラルケア用品コーナーの確立が重要になる。
また、大人のオーラルケア市場でも、昨今では電動歯ブラシが成長を見せている。それを受けて、電動歯ブラシの機能を知った親たちが、赤ちゃんのためにより良いケアをと思い電動歯ブラシを使用するようになりつつあるとも見て取れる。単価の高いベビー用電動歯ブラシの拡売でベビーケアカテゴリー全体の収益性も向上する。
永久歯まで影響を与えるから早期からの乳歯ケアが大事
乳歯が虫歯になると口内に虫歯菌が増え、将来生えてくる永久歯も虫歯になりやすくなるという傾向がある。だからこそ、乳児のうちからのオーラルケアは非常に大切と言えるだろう。
まだ歯の生えてこない月齢4,5ヵ月頃の時期から、歯ぐきマッサージ用の仕上げ専用ブラシの使用をスタート。まずは乳歯ブラシを使って自分でお口に入れることから慣らして、専用の歯ブラシで歯ぐきのマッサージをすることで「気持ちよさ」を赤ちゃんに感じてもらい、仕上げみがきを嫌がらないように誘導していくことが大切だ。電動歯ブラシを使うことで、嫌がる仕上げみがきをスムーズに行うことができる。
ピジョンの「はじめての仕上げ専用電動歯ブラシ」(参考価格:2,090円 / 税込 / 電池別売)は、月齢6ヵ月頃からを対象年齢とし、12ヵ月以降も利用できるよう、替えブラシを2種(6ヵ月頃から用2個、12ヵ月頃から用1個)付属品としている。お子さまの歯の成長やご機嫌に応じて使い分けのできる強弱2モードの音波振動で、汚れをしっかり落としていけるのが特長だ。
また、歯ブラシのネック部分にはLEDライトが付けられており、暗くて見にくい口の奥を明るく照らしてくれる。このLEDライトは赤ちゃんの興味を引きやすく、口に歯ブラシを入れることに対する不安感も軽減してくれると期待できる。
加えて、始動して30秒経つと音と振動、光によって経過時間がわかるお知らせ機能も搭載。お口の清潔を保つためには、口内を上下左右4ブロックに分けて各30秒ずつ磨くのが目安とされているので、このお知らせ機能を活用すれば、より効果的な仕上げみがきが実現できるだろう。
積極的な情報発信でベビーオーラルケア売場を確立
ベビーケアの購入者は子ども関連の商品に加え、日用品、化粧品、食品(簡便調理食)などを必要とする世帯で消費意欲は旺盛。今後長期に渡るお付き合いが期待できる層である。ベビーケア売場の充実は長期戦略を考えて重要。その中でベビーオーラルケア売場を確立、拡充させることでカテゴリー活性化が狙える。
コーナーには、乳児期からの口腔ケアの重要さをアピールしたPOPや展示物などを設置。また、実物見本を店頭に並べ、「はじめての仕上げ専用電動歯ブラシ」の持ちやすさ、LEDライト、ブラシ部分のやわらかさも直接実感してもらうことで、確実な購買につなげていこう。
重要ポイントのまとめ
- 永久歯にも影響を与える「早期からの乳歯ケア」売場を確立
- 嫌がる仕上げみがきには「電動歯ブラシ」が有効
- 付加価値商品は上昇マーケット、「仕上げ専用電動歯ブラシ」にチャンスあり